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神聖だが地味な鹿嶋市、交通の利便やいかに【2022夏休み企画#5 鹿島神宮 下総編-2】

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大体神宮と聞くと身構えがちですが、伊勢神宮以外の神宮はあちこち行かなければ参拝が素早く終わる印象であり、関東にある神宮2社の中でも鹿島神宮香取神宮ほどにはアクセスが悪くなく、簡単に観にいくことができるものです。この地域を走るかしま号について考察する様子も最後に収録しています。

 

2022夏休み企画サイトマップ

sangen03.hatenablog.com

 

鹿島神宮参拝

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さて、前回、鹿島神宮での参拝は、案外あっさりしたものになります。44分後(11:23発)の普通列車を逃すと、次の電車は2時間後になってしまうのです。

 

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鹿島神宮の楼門。この手のものは大体重要文化財になっています。

 

 

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鹿島神宮にお参りをしました。やはり重要文化財の修理は時間がかかるんでしょう。

 

神宮の中の森は、ヒグラシが鳴いていて非日常感を演出しており、外で鳴く油蝉と対照的で神聖な空気になっています。ヒグラシの鳴き声って聞いたことがなかったんですが、行程中小雨が降った時もありましたが、珍しく鹿島では晴れでした。そして林の中だけは妙に涼しいのが浮世とは隔絶された感じ、神が在る感じでいいですね。

 

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林の中に鹿園があります。こちらでは小さな子鹿なども見ることができます。

 

私は中学の時修学旅行で奈良に行き、広い野っ原で鹿と戯れるということをしました。奈良公園の鹿は鹿嶋市からやってきたという設定になっています。奈良にも鹿がいますが、赤信号を無視し、鹿煎餅や切符を本能のままにヤギさん郵便の如くむしり取り、その凶暴っぷりは角を切らなければいけないほどです。

 

鹿島の鹿は奈良とは別格ですよ。みんな落ち着いています。

 

かしま号を見る

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さて、折り返しの普通列車に乗車する前に一つ見ておきたいものがあります。かしま号です。このバスに東京までの交通手段は打ち負かされてしまいました。

 

このバスは予約ができない乗合バスで、路線バスと同じ感覚で乗車していいタイプの高速バスです。京成バス・JRバス関東関東鉄道の3社が共同運行しています。

 

右奥には、高速バスが8、9台ほど止まっています。何という数の暴力。勝てる気がしません。1日88往復もしています。首都圏のバスでもっとも運行本数が多く、私が筑波大学オープンキャンパスに行った帰りに乗ったつくば号よりも多くの人を運びます。首都圏近郊のそこら辺のバスよりも遥かに多くの本数を出しています。恐るべきかしま号。

 

しかし、このバスは誰も乗せずに出発しました。途中の停留所で乗車するのか、一部時間のみに需要が集中しているのか、それとも本当にバスも誰も乗らないのか、真相は不明です。

 

なお、個人的には内房方面のバスが多い感じがしますが、これは木更津行きや君津行き、木更津方面安房鴨川行き・東京方も東京だけでなく品川、川崎、横浜へのバスなどがあるせいで行き先がバラバラなので一概にカウントしづらく、単一のバス系統なら首都圏一なのも頷けます。

 

かしま号最強説

さて、かしま方面の高速バスについてもうちょっと深く掘り下げてみようと思います。11時20分に鹿島神宮駅から誰も乗らなかったのを不思議に思ったので、現在の特急さざなみが通勤特急のように扱われているのと同様、かしま号は通勤需要が大きいのではないかという仮説を立て、実際に観察しに行きました。

 

夜21時の少し前。この日、下総ルートの全ての旅程が終了した後、私は東京駅八重洲南口におります。東京駅からは、毎分何かしらのバスがいて、発車する光景が見られます。

 

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鹿島神宮行きのバスがこちらになります。1番乗り場から発車します。0分の後は20分、30分と、高頻度で運転されていることがわかります。

 

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左側が鹿島神宮行き関東鉄道バスかしま号。右側が筑波大学行きJRバス関東つくば号。

 

かしま号に関しては、窓側がほとんど埋まっていました。Withコロナのご時世でも需要が十分にあるわけであります。

 

かしま号は概ね20分に一本、つくば号は30分に一本なので、つくば号の方が少し混んでいるが、かしま号もつくば号には少し劣るもののまあまあ混んでいていい勝負です。コロナ禍で三密回避のために便数を維持していることを考えると、かなり好成績です。

 

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21時は、この辺りの昼行の最終バスや夜行バスが出ようとする時間であります。21時は、鹿島神宮行き、筑波大学行きの他に、特急匝瑳市役所行き、水戸行き、いわき行き、夜行岡山・広島行きのバスが同時に出発しました。見るに、どのバスにも割と人がいて、鹿島神宮・筑波・匝瑳行きのそれぞれの平均で、まあ乗車率は5割が平均とみると、なかなか利用されていると言えるのではないでしょうか。

 

もっとも、水戸行きと岡山・広島行きはカーテンが閉まっていて客足が確認できませんでしたが。いわき行きのバスはガラガラでしたが、それでも3名くらいは利用している人もいました。やはり高速バスの威力は絶大なんですね。

 

つくば号との比較で感じたこと

つくば市は、人口も人口密度も鹿嶋市を上回っていて流入人口が多いですし、夜遅い時間に大学まで直通して大学に行く人は少ないなど様々な要因はありますが、いずれにせよかしま号は相当優秀であるということがわかります。

 

朝の状況を見てないのでなんとも言えないんですが、夜の遅い時間でもこれだけ通勤に使われているということは、鹿嶋市民にとって有益に使われているということなんでしょう。

 

またこれはつくば号にも言えることですが、目的地は必ずしも駅とは限らず、駅からアクセスがしづらい位置の住宅地、観光地、工場からの需要を確実に拾えるのがバスの強みです。鹿島線は確実にJRに敗北していると言っていいでしょう。ただし、潮来・鉾田方面への移動の一部は鉄道も役に立っているようです。鹿島神宮からの折り返し列車にもそれなりの乗車がありました。

 

さて、次回は佐原を観光します。