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東京九州フェリーに初めて1人で乗って太平洋の厳しい大海原を知る話【2022長崎#6 新門司港→横浜】

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長崎行きの旅のトリに、横須賀行きのフェリーを利用します。このフェリーは、去年(2021年)7月にデビューしたばかりの新しいフェリーです。今回は、初めて外洋を航行するフェリーに乗った様子をお届けします。

 

 

 

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私が乗船したのはそれいゆ号でした。

 

今回の乗船は、今回の旅の目的でもあります。個人的な話になりますが、私は田舎に帰省する時によくフェリーを使います。しかし、そのフェリーは瀬戸内海の揺れが全然ない、5分とか10分で終わるもので、島と島の間の渡し船のようなフェリーなんですね。しかし、外洋に出るような長距離フェリーは今回初めて乗ります。どのようなものか楽しみです。

 

この情報は、2022年3月7日の情報なので、最新の情報とは異なる場合があります。

 

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今回のルートと時刻はこんな感じ。横須賀とか横浜に住んでいる僕からしたら東京じゃないんですけど、全行程は日本地図レベルに拡大しないと見えないですから、こりゃ東京ですわ。四捨五入で。東京ディズニーランド東京ドイツ村の気持ちが分かります。

 

そして船内では、案の定酔いました。酔い止めは服用しておりません。瀬戸内海の生ぬるいのに慣れていてもダメなもんはダメですね。ゆったりとグヮングヮン揺れます。バスとかにも弱い人なので今後はこういうのに乗る時は酔い止めを飲もうと思います(事実、振り子式885の白いかもめでも酔いかけました)。下船後しばらくは、家に帰っても三半規管がやられて体が揺れ続けていました。

 

私は酔ってしまったので楽しみきれませんでしたが、船酔いがなければ、船内エンターテイメントも充実していて、静かで快適な船内になっていますから、このフェリーの魅力を楽しめたと思います。まあでも太平洋を高速で走りますししょうがないですよね。この日は陸上でも風が強かったと聞きますし、海上の荒れはなおのことでしょう。

 

船内では安静にして体重移動に気をつければよろしいでしょう。後機械類の操作もダメです。船の中にいることを実感し、無になりましょう。

 

 

乗船・出港

門司港へは西鉄バスでやってきました。小倉から40分くらいで到着。20人強乗っていましたが、その気になれば50人以上乗せられそうなバスです。

 

事前に申し込みを見せているはずなので、該当のメール(割引適用者は学生証などを見せる)を見せるとこのようなチケットがもらえます。23時10分、誘導に従い乗船。

 

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陸側を頭にして止まっていたので、離岸した後、バックして出発、回転して港を出ます。陸に向けて水を噴射することで、素早い離岸を実現しています。奥の白い波の立ち方からもそれがわかるんじゃないでしょうか。

 

船が動き出しました。この凄まじい勢いを伝えられないのが残念です。やっぱり触覚というのは体験したものしかわからないんですねこれが。

 

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船はみるみる離れていきます。

 

受付・待合室・乗船口の建物の右に道が二つありますね。あれが一般車両用とトラック用の出入り口です。この東京九州フェリーでは、トラックなどの貨物輸送にも一役買っているということで、ドライバー用のサービスも充実しているんですね。

 

回転が終わると20km/hの速度を出して瀬戸内海・太平洋方面へ向けて航行していきます。そして、黒潮の流れに沿うようにして横須賀を目指します。そのためか、東京方面の方が所要時間が少し短いです。

 

ツーリストA船室紹介

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部屋はこんな感じでこじんまりとした広さ、この広さでも快適に寝れます。

 

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誰かがこの客室を「ドラえもんの居場所の押し入れ」と例えていましたが、なかなか秀逸な例えでしたね。確かに秘密基地感はあります。カーテンを閉めたら、概ねプライバシーも守られているといった環境。鞄の左上にあるのは換気設備です。

 

荷物入れは大体縦60×横70×奥行き42(cm)くらいの広さ。スーツケースを持っていくかもしれなくてこの部屋を取りましたが、心配はないでしょう。角のスペース以外では、二人分の荷物スペースを用意する関係で横幅が30センチ強くらいになりますが、小さいスーツケースなら余裕で入ります。タオル掛けも人数分あります。

 

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ライト、コンセント、USBのAポート、簡易的な物入れがあります。

 

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貴重品管理は、まあ日本のフェリーですから、ロールカーテンを閉めると誰も近寄らないと思います。ぶっちゃけ財布と携帯があれば後はどうにでもなれって感じですね。まあ私は貴重品の管理どころの話ではなかったんですけどね。大事なものがあればコインロッカーを利用すべきですが、使い方はよく分かりません。

 

船内施設紹介

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例のショッピングモールみたいなロビー。エレベーターの作動音も未来的です。

 

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船内の地図。

 

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四階の案内板の近くに、このようなパンフレット置き場があります。船内の解説は、このパンフレットやウェブサイトを参考にすると良いでしょう。

 

売店、レストラン、大浴場、スポーツルームといった、充実した船内生活ができる空間が広がっています。また、ペット向けのサービスも充実しているようです。営業時間に注意しましょう。

 

売店

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4階出入り口右手に、売店があります。

 

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船の御朱印みたいなやつも売ってるんですね。

 

私は残念なことに博多駅でお土産を買いそびれてしまったので、ここで購入できるのはありがたいです。東京九州フェリーオリジナルグッズも売っています。

 

レストラン

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レストランは5階にあります。レストランの営業時間は夜食が23時半から25時、朝食が8時から9時、昼食が12時から13時、夕食が17時半から19時(新門司行きは18時から)です。

 

そして、各食につき1時間のみとかなり時間が限られています。売店ではまともなご飯はない(おつまみやお菓子などはある)ので、逃さないように注意すべきだと思います。

 

会計は自動精算機で行います。クレジットカードも使えますが、現金で支払った方が確実です。

 

朝食は遅めです。これは、夜遅くに出発するため、睡眠時間を確保するという狙いがあると言えるのではないでしょうか。

 

大浴場

6階です。脱衣所のところにシャワールームと、屋内の浴場、露天風呂やサウナがあります。

 

浴槽は二つに分かれており(水中で繋がっている)、一つの方には背中に当たるジェットが2人分着いています。水面が船の揺れによって複雑に変形するのが面白いですね。

 

露天風呂はプラスチックの板が付いているので、中からは海の景色がぼやけつつも見えますが外からは大事なところも見える心配はありません。

 

女湯は知りませんが、大体おんなじなんじゃないんですか。やはりドライバーも男性の方が多いということで、女性の方が人が少ないという印象を受けます。しかし、観光目的で乗船した女性も少なくありません。

 

スポーツジム

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一時期は営業を中断していたようですが、現在は一部の機械を使えなくして再開したようです。ランニングマシンが2台(実質1台)、コードレスバイクが3台(実質2台)あります。両方経験しました。

 

電波

電波は概ね弱いですが、陸に特に接近する宿毛から新門司港、潮岬周辺、そして下田周辺、三浦沖から東京港に至るまで、この辺りは電波が特に繋がると思って良いでしょう。船室だとつながらないですが、陸側のロビーやデッキだとつながりやすいです。

 

船内Wi-Fiやクレジットカード決済もありますが、あまり期待しない方がいいと思います。まあ使っていないのでなんともいえませんが。

 

船内で過ごす

現在、感染症対策として船内共用スペースではマスクの着用が義務付けられます。足りなくなったら売店で一枚50円で買いましょう。

 

夜食

出港を見送った後すぐに、レストランに行きました。実は船では夜食が食べられます。今日食べた食べ物は軽い朝食、鳥栖でのかしわうどん、落ちないセブンイレブンで買ったシュークリームだけなんですね。そりゃお腹が空いているわけです。夜食を食べるために腹を空かせてきました。

 

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椅子が鎖で固定されているのを見て、ここは船であることを自覚します。気づいたら船は小刻みに、問題にならない程度に揺れています。このタブレット端末で操作します。

 

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ねばねば漬マグロ丼セット(私が命名、単品の組み合わせです)を注文。700円、非常にコスパがいい(内訳:漬マグロやまかけ400円、ごはん200円、納豆100円)です。昼飯にまぐろしらす丼の用意があるので、ここで食べなくて昼食にするのもいいでしょう。もっと安くしたい場合は、自動販売機コーナーで200〜250円でカップヌードルが買えます。

 

ドライバーのおじさんが酒盛りで楽しく談話しているのを見ました。14時くらいまではドライバーも酒を飲んでもいいことになっています。やはりドライバーにとってはこの時間が1番楽しいんでしょうね。私はこのときまだ未成年なので酒は飲めません。

 

この時間帯で注意するべきなのが、レストランは1時で閉店なのと、電波が弱くなる可能性ですね。風呂も1時半で終わり・消灯(一部の明かりは残ります)なので、足早に寝ましょう。

 

おやすみ放送は0時43分頃に入りました。ツーリストAの等級では自分でリネンを用意する必要があります。

 

おはようございます。二度寝しましたが、7時半くらいに起床しました。

 

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船内では1日目のホテルでもらった使い捨てスリッパを使いたいと思います。こんな薄っぺらいので出歩いていいかわかりませんが、少なくともデッキには出てはいけません。これで船旅がかなり快適になりました。ツーリストAの客室にも、スリッパを持参している人がいました。

 

ツーリストAの客室は7時38分ごろに点灯しました。8時に諸々のサービス(レストラン、浴室、スポーツジム、売店)が営業開始となります。8時から朝食を食べたいと思ったので、それまでに洗顔やトイレなどを済ませておきましょう。

 

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起きたら電波がつながっていません。電波は通じにくい(通じることもある)ですが、4階ロビーにあるこのテレビならどこを航行しているかわかります。

 

朝食・大浴場

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洋風プレートセットを注文。値段は950円、豪華な朝食です。ドレッシングは胡麻、パンにはバターといちごジャムもついています。朝食は抜くか、コスパがいいおかゆセットかそば、うどん(いずれも450円)を頼むのがよろしいでしょう。

 

朝食を食べた後は、大浴場へ。人はあまり多くありません。本日は晴れ。どうも横須賀行き航路では、男湯は日向(女湯は日陰)になるらしく、眩しかったです。まあ逆方面だと逆になるんでしょうが。

 

あと、タオルは細長いの一つしかなかったのですが、肩と手は露天風呂のところで手を挙げると冷たい風が吹き込んでくるので天然のドライヤー兼水風呂になります。それでタオルの湿らせる量を減らすことができました。

 

船舶でゆったりとした時間を…

しばらくゆっくりしていると、10時8分ごろ、大きな船のホーンが鳴ります。反対側の船と行き違う合図です。慌てて見に行った後は後方に消えていました。時速50キロ程度で走行しているので、相対速度で100km/h、凄まじい速度で離れていきます。いつも右側通行なので、左舷にいくと反対側の船がいます。

 

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大体、潮岬の南西ですれ違います。デッキに出ると、陸地が見えます。和歌山県串本町の景色。

 

その後は、フロントデッキや屋外デッキなどにいましたが、ここにいたら酔わないし、電波も通じるんじゃないかと思います。やはり太平洋の荒波の中ですから、酔いやすいわけです。後マスクをしていると酔いやすいです。ただし、屋外デッキは風が大変強いです。

 

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プラネタリウムを楽しみました。ここは科学館ではないので、ただ天体の映像が流れて、ヒーリングミュージックが流れているといった感じ。花火の映像が流れて、光と音がうるさい時もありましたが、最後の10分くらい本当にうたた寝してしまいました。

 

このプラネタリウムの客層も私と同じくらいの年代の男性が多いんですね。やはりリーズナブルな船旅に興味を持った方が多いんでしょう。

 

やはり辛い

朝飯でお腹いっぱいだったので昼飯は食べていません。また食べなかったもう一つの理由でもあるのですが、午前くらいからそうなんですけど、太平洋の荒波にさらされて、少々気分が悪くなってきて、早く着かないかなと思うようにもなりました。

 

午後はランニングマシンで走りました。今思えばこれで走ったことでさらに気持ち悪くなったんじゃないかと思います。

 

そのあとはオフラインのパソコン作業をしていましたが、海が荒れているので全く捗らず、遠州灘などの揺れが激しい区間では寝ていました。和歌山よりも天気が悪くなったように見えます。

 

17時半、ついに洗面台に吐き戻してしまいました。左舷を見ると、10キロほど先に下田が見えます。しかし、海はまだ荒れています。相模湾に入っても船の勢いはとどまることを知りません。相変わらず船は50キロ毎時で爆走します。

 

夕食も食べられませんでした。またえずくかもしれません。揺れがおさまらないうちに、レストランの営業時間(19時まで)は終わってしまったのです。

 

しょうがないので19時すぎくらいに2回目の風呂に入りました。風呂に入っていると、水面の揺れが穏やかになっていることに気づきます。目の前には内房の建物の光が広がります。三浦を越えて浦賀水道へ入ってくると、ようやく波が穏やかになったという感じがあります。

 

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風呂から上がったら揺れも落ち着いたので、夕食(おやつ、どう考えても足りないので横須賀中央のセブンでカレーパンを買い足している)を食べることにしました。ハーゲンダッツです。300円くらいしました。昼食も夕食も食べられませんでしたし、全5日間にわたる旅行のご褒美ですから、まあいいでしょう。ハーゲンダッツ、おいしいですよね。

 

下船へ

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右に見えるは横須賀港の船です。そのさらに右手にはランドマークタワーも見えようとしています。下船はもうすぐです。

 

下船の際にはトラックや車、バイク、自転車の人が先に案内されます。船内の所定の改札でバーコードをタッチします。下船の様子を間近で見ていたのですが、スマホを出している人が多いんですね。普通運賃で乗船の場合、紙ではないデジタルの乗船券を用いて私が北九州の建物でやったような受付を省略できるということで、スマホで表示できるQRコードが配布されます。

 

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降りました。横須賀方の一階の建物にははまゆう号の100分の一サイズの模型が飾ってあります。端から端まで長いです。

 

下船後

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トラックが続々出てきます。人ごと乗るだけではなく、荷台だけ積み込んで運ぶ事業者もいるようです。じゃないとあの台数になりません。

 

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横須賀中央へは適当に歩いたら着きました。この時間、下りはウィング号が運転されているので、乗船する際はこちらも併せて検討して見てはいかがですか。私は上り電車に乗車します。

 

横須賀中央2118→横浜2147 快特品川行き

京急富岡で1890番台の試運転を抜きました。試運転というのは出会いたい時に走ってなくて、別に出会わなくてもいい時に出会うものです。

 

この時間帯の横浜駅もなかなか来ないですから、電車を観察していました。京急の回送や先ほどの試運転、特急湘南の通過やサンライズ出雲・瀬戸など、さまざま見ることができます。

 

発車するときにサンライズ号の客室の様子を覗いていましたが、僕と同年代の若い男の人とかおじさんの旅行者がいっぱいいましたね。やはり日本唯一の寝台列車ですから、活況を呈しているわけです。この春の時期、私を含め、色々な人が休暇を使って旅に出ています。感染症へのリスクが落ち着き、皆が活発に旅行に行ける時代が徐々に戻っていていると言えるのではないでしょうか。