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ゴールデンボンバー・鬼龍院翔が無断転載許可?「令和」時代の著作権を考える

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2019年4月1日、新元号「令和」が発表されました。これに伴い、ゴールデンボンバーさんは素晴らしい曲を(元号発表から)たったの2時間ほどで作ってくれました。

 

まだご覧でない方のために、こちらをご覧ください。


ゴールデンボンバー/令和 Full size

 

【2020/03/18追記】

上記 Zany Zap official チャンネルの動画が非公開になっていた代わりに、ゴールデンボンバー公式 チャンネルから再公開されていました。

 

この曲で一気にゴールデンボンバーが再注目されたわけですが、それはアーティストの熱い覚悟をちらつかせるものでもあります。

 

そして、その覚悟が4月4日、また垣間見えました。

 

 

ゴールデンボンバー鬼龍院翔が自身の楽曲の無断転載許可???

4月4日、ゴールデンボンバーのボーカル、鬼龍院翔さんが自身のアメブロで、こんな言葉を発したのです。

 

記事↓↓

ameblo.jp

 

鬼龍院さんは、SNSに令和の曲を使った動画が乗っていることなどに対して、

是非、何にだって大いに使って頂きたいです


こちらにお伺い、確認なんて要りません!(^-^)


権利で縛る故に音楽が広まることにブレーキが掛かるような現象ってホント勿体無い事だと思うんですよ

 と発言しております。

 

あと、鬼龍院さんは歌詞を自由に使ってもらいたいと思ったので、事務所に問い合わせたところ、

歌詞について、広く知ってもらいたい為に鬼龍院翔の作詞した、ゴールデンボンバーの楽曲で
・タイムマシンがほしいよ
・僕クエス
・あの素晴しい朝をもう一度
以外の曲の歌詞を無料のSNSに全文を載せても良いです。
しかしこれはあくまで鬼龍院翔に限った話で、他アーティストさんは別です。


作家である鬼龍院 翔と権利元の事務所が自己責任でOKにした形です。


なぜ上記の3曲だけはダメなのか、

「この3曲は権利がウチだけのものではないから」

ということです。(双方ともにブログ記事から抜粋)

 

歌詞の無断転載と、SNSへのゴールデンボンバーの曲の利用を許可しました。自身の曲に鬼龍院翔という大きなブランドがついているからこそできた決断だと私は考えます。

 

この決断は音楽界では異例のことであって、ネットニュースで報じるようなところもありました。

nlab.itmedia.co.jp

 

SNS時代の著作権について

SNSや動画投稿サイトの普及によって、視覚的ないし聴覚的な知的財産をそのままキャプチャー・複製・二次配信することが容易になりました。しかし、それらの行為の一部は法的にグレーゾーンと言えるもの。現在もこれに関しては意見が分かれる課題です。

 

肯定すべき?

私は鬼龍院さんのこの決断を歓迎すべきだと思います。鬼龍院さんが仰る様に、私も作品を著作権で縛ってしまうがゆえに公開ができなくなるのは本当に悲しいことだと思うんですよ。

 

よくScratch*1やUnityroom*2に公開する時に音楽をつけようと思う時に、音楽が著作権に引っかかるからという理由で、みんなこぞって魔王魂*3などの音源や自作音源を使っているんですよ。また、音ゲーに一般の楽曲は少なく、オリジナル音源が多いのもそのためだと思われます(一般的な音ゲーは営利目的でもある、というのもありますが)。

 

さらに今Youtubeニコニコ動画、さらにTwitterTikTokなど動画投稿サイトでも著作権問題は言われていて、Youtubeに関してはJASRACやNexToneなどに莫大なお金を払って楽曲の権利を守っているそうです。

 

鬼龍院さんは、歌詞の転載を躊躇っているブログを見つけて、「いい歌と思っているならどうせなら全文乗っけて紹介・宣伝して欲しかったのに!」と思った様です。

 

私も耳コピDTM作曲を趣味としていますし、まだ世間一般には公開することはできませんが、その時が来たら公開しようかと思います。そして、そのオリジナルの楽曲を他の人に使ってもらえたらそれは何よりの幸せだと思うんですよ。また私はその使用について、究極的にはお金が絡まなくてもいいんじゃないかと考えます。なので、鬼龍院翔さんの措置は祝うべきだと思います。

 

こんな世の中ですから、今後も鬼龍院さんの様に楽曲・歌詞の無断転載を許可するアーティストが出てくるのも自然だと考えます。

 

価値のある楽曲を無料で使用することが「コモディティ化」することを恐れて

しかし、反対意見も当然あります。私が好きな、とある音楽クリエイターがツイートしていたのですが、「価値のある音楽は無料じゃなくても広がっていく」「逆に、無料でないと広がらない音楽は商品価値はないし、すなわち広がっても日本文化には貢献しない」「どんどん著作物が無料になっていけば、そのうちそれらは1円の価値もない財産になってしまう」(一部内容改変)

 

私はTwitter垢を持っていないので、その方には許諾なしに勝手に抜粋してしまってすみません。

 

私は、これらのツイートに感動しました。何故そこまでして人は音楽にお金を溶かし込むのか分からなかったのですが、人の心を揺さぶる価値のある音楽、それを聞いて心を奮い立たせる、あるいは何らかの決断の一助とするためにあるんだと感じました。

 

そして、お金を払われることで、作曲者に利潤が手に入るのみならず、その音楽は十分な地位が保つことができます。

 

私も、素晴らしい音楽作品を見つけたら、心置きなくお金を支払っていきたいです。私はケチで登録嫌い人間なのでやるかどうかわかりませんが。

 

SNS時代、価値のある音楽をどうやって広めるか

それでも、無料で使えるということは、二次創作をする者にとって、それが無意識的であっても、ハードルを下げてくれる、超親切設計であることに違いはありません。無論、SNS以外の営利目的でゴールデンボンバーの曲を使用する場合は当然お金をとるでしょうし、SNSに投稿する際にいちいち許諾をとったり金を巻き上げたりするのは、本当にめんどくさいことだと思うんですよ。私は毎日リプライをするのは、どちらかといえば嫌です。

 

鬼龍院さんは無料の範囲でできるものは無料にすべきというスタンスだと思うので、私もこの様な流れに関しては肯定すべきだと考えます。

 

また、今まで課金を忌まわしく思っていましたが、本当に素晴らしい芸術については、課金をするのも悪くないですね。そうすることで、その音楽を所問わず聴けて、生産者にもメリットがあります。

 

価値のある音楽を守るという意味では、CDはあと10年くらいは普及しそうですね。物理的なプレイヤーですし(閑話休題

 

令和の歌詞からみる新しい時代の幕開け感

実は、「令和」の歌詞の中にも新しい時代への覚悟が感じられる部分があります。私も心置きなく引用させていただきますが、

 

1番Bメロ

「次は変えよう 僕を変えよう」

これは、1番Bメロの歌詞です。

改元を機に、自分の気持ちを入れ替えようとする心意気が伝わります。

 

「飛び込め 歴史の渦へ」

これは、先ほどの歌詞のすぐ後の歌詞です。

自分も新しい時代に取り残されないぞ!という思いも、歌詞の権利を自由化した決断に至った理由の一つでしょう。

 

2番Bメロ

今は我々の人生は自分次第だから

食うも 寝るも 伸るも 反るも

自由自在な時代

今の時代、法に触れない限り、何をするも自由です。21世紀は、いろいろなものが自由化され、もっと自由になっていくでしょう。そんな中、音楽は自由を謳歌するのに最適なツールです。それが権利で縛られては、自由が縛られてしまうと考えてしまうのも無理はないと思います。

 

同時に、自分次第なので、責任は常に自分に返ってきますが。

 

3番Bメロ

伊達に何代も引き継いだ今日じゃないから
大丈夫 回ろう 共に 回ろう
みんな一つの塊

一世一元の制があるこの現代で、改元を何回も経験した人はそうそうおらず、みんな仲間なんだと思うと、新しい時代への恐れもおのずとなくなるものです。

 

おまけ 僕のゴールデンボンバーのイメージ

音楽番組にゴールデンボンバーが出演した時は、「女々しくて」が必ず流れます。私もそのイメージでした。

 

あと、私は仮面ライダーに最近ハマっているので、仮面ライダーウィザードの「Life is SHOWTIME*4」とトクサツガガガの「ガガガガガガガ」のイメージです。

 

そのゴールデンボンバーが新たな曲を作ったことは、YouTubeのあなたへのおすすめで知りました。仕事が早いなと感動して、せっかくだからゴールデンボンバーの他の作品も見てみたら、結構いい曲作っているじゃないですか。

 

例えば、「やさしくしてね」では、もう少しで過労死してしまうサラリーマンなどを描いた曲です。「#CDが売れないこんな世の中じゃ」は、CDが絶滅しようとしていることを嘆いています。確かに、うちの近所のタワレコはただの道路と化していますね。何でさっきCDはあと10年くらいは普及しそうとか言ったんだ

 

そして、この「令和」という曲、繰り返し聞いて、ある感想を覚えました。私はこのブログでは「三元」という名前で活動しているのですが、最初は変な感覚でした。

しかし、この曲を聴いて、「令和」という元号が連呼されたことにより馴染んだように、私のアバターネーム「三元」も自分の中で馴染むんだと思い、そう思うと本当に馴染んでいきました。これからは安心して「三元」を名乗れます。

 

4月10日には、CDも発売されるようですね。新元号発表記念に、購入してみてはいかがでしょうか。

 

令和元年5月10日追記:大胆にもMIDIデータを公開していた

なんと、MIDIデータも公開していました。楽譜を作るのもめんどくさくて、このような形になったと言います。さすが鬼龍院さん、太っ腹ですね。

ameblo.jp

 

*1:ここでは、小学生でも構文を書かずにマスターできるプログラミング言語「Scratch」で書かれたプロジェクト、それを公開するための公式コミュニティ

*2:プログラミング言語「Unity」で書かれたプロジェクト(主にゲーム)を公開するためのコミュニティー

*3:魔王魂では、目につくところにクレジットをすれば個人・商用問わず自由に使うことができる

*4:この曲は、名義が「鬼龍院翔 from ゴールデンボンバー」(「ゴールデンボンバー」ではない)で、作詞者は鬼龍院翔ではないので、歌詞の無断転載と、SNSへの利用ははばかれる