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JR東日本公式VRメタバース「Virtual Akiba World」で鉄道150周年を祝う

私は、新しいことにはブログの記事にしないと時間とお金その他リソースをケチって行動する気が起きないんですよね。当ブログは私の新技術への学習意欲維持のための良い原動力として働いています。

 

私はずっとVRというものに興味を持っていました。VRをはじめるには、高性能PCや高性能VRバイスが必要だと思うかもしれませんが、そんなことはありませんJR東日本提供のVirtual Akiba World(略称:VAW、バウ(ヴァウ?))では、端末を問わずアクセスすることができます。

 

 

 

メタバースワールド、Virtual Akiba World(VAW)とは?

よくVRの話をすると、最近はメタバースとの繋がりでWeb3が絡んできて、どうも仮想通貨(暗号通貨)がないと利用できないなど胡散臭い情報を垂れ流している輩がいるそうです。もちろんそういうメタバースも今後ますます増えていくと思いますが、とりあえずメタバースの構成要素であるVRとWeb3(ブロックチェーン・暗号通貨・DeFi・NFT関連)は分けて考えるのが筋です。ブロックチェーン関連技術が絡まないVR環境も数多くあります。今回はそういう意味でのVRであり、このVRにはメタバース的な要素もありますが、金銭の取引はあまりせず、あっても法定通貨やクレジットカードで行われるはずです。

 

今回入場するのは、Virtual Akiba World(VAW)です。秋葉原オタク文化の聖地の一つであり、様々なワールドが作られています。AKIBA観光協議会・DNPが提供するバーチャル秋葉原JR東日本・株式会社ジェイアール東日本企画jeki)・HIKKYが提供するVirtual Akiba World(VAW)、その他たくさんのワールドがありますが、私が最も魅力的に感じたのがVAWでした。

 

VAWはHIKKY社のVket Cloudという独自サービスにより構築されているので、OSやアプリケーションを問わずスマートフォンやPCのWebブラウザから気軽にアクセスすることができます。VAW取材当時は諸々の事情により、まだ例の超高性能新型Windowsパソコンが届いておりませんので、Webブラウザ上からアクセスできるというのはありがたいものです。

 

なぜこのようなことになったかというと、バーチャル秋葉原の1号機関車の展示が11月10日まで(10時まで、10時〜15時はメンテナンス時間)で、それを見に行きたいと思ったからです。当該ワールドではJR東日本秋葉原駅が忠実に再現されており、バーチャル秋葉原駅の中に機関車が停車しているそうです。

 

最近のJR東日本は色々頑張っていて、JR東日本パスやえきねっと(新幹線eチケットなど)などのキャッシュレス推進などの取り組みが目立ちますが、実は広告・メディアや地域活性化、XR, IoT活用などの事業もしているんですね。最近は鉄道開業150年記念で駅名標のNFTを作っていたり、去年(2021年)のVket6では*1JR東日本がバーチャル秋葉原駅を出展して話題を呼び、そのワールドを公式にサポートする形で常設化したといった感じなのでしょう。その翌年(2022年)はJR西日本もVketで大阪駅を出展してましたね。

 

VAWのサービスは2022年3月25日から始まっています。しかも大半のVRワールドに入るのには超高性能Windows以外お断りかつVRChatに会員登録して何してウヴアアアって感じだというのが僕のイメージでしたが、JR東日本さん優しいです。そのようなハードルは一切ございません。最近のほとんどのスマートフォン及びパソコンであれば入場可能です。まさに誰でも手軽に未来に触れられる感じがしていいですね。一部サービスは期間限定だったので、行ってみました。

 

というのも、2022年10月3日から11月10日まで1号機関車の展示があるんですね。その展示が終わる前と終わった後の素材が両方ありますが、展示が終わる前のものが中心となっています。

 

VAWに入場する

(画面は異なる場合があります)

VAWのサイトに行くと、このような画面が出てきます。

 

こちらの画面が出たら、濃い灰色のバーからワールドを選んで、利用規約とプライバシー規約に同意します。利用規約第10条第3項に、「参加者による本サービス内でのスクリーンショット等の撮影、SNS・ブログ・YouTube等への投稿、及び配信その他の利用について、当社が拒否する場合を除き、原則として許可」し、映り込みの対処も自己責任ねということで、ありがたく紹介、利用させていただきます。

 

この入室のボタンがたくさんありますが、何が違うかわかりませんでした。

 

入室を押すと入ることができます。正直普通の入室で不特定多数が入場できるのか分かりませんでした。ただ、私が訪れた時は1人だけでした。過去に秋葉原を訪れて*2混んでいて満身創痍したのを覚えていますが、そのような心配はございません。

 

ロード時間が20秒ほど、かなり重いサイトです。

 

できました。なんか女性が突っ立っています。WASDで移動、カメラはスクショです。右下にはオタ芸やエモート、下にはマイク(ボイスチャット)、右上には設定と目線移動のボタン、オフ会ボタンがありそれぞれタッチ可能です。タッチ可能なボタンがあることでスマホにも対応しています。シングルプレイ以外では左上にチャットのボタンがあり、メタバースらしく会話やエモート機能に重点を置いているように見えます。

 

設定からコスチューム変更、ワールド移動ができます。選べるコスチュームは少なめですが、男女両方います。しかし、バリエーションは少なめ。Vketちゃん1号と妖精ちぃたん以外は妙に解像度が低いです。まあマップの軽量化のためには仕方ないと言えるでしょう。期間限定のコスチュームもありました。

 

なんかニックネームが設定できて吹き出しが出てます。もうできるのかどうかわかりませんが、将来的には不特定多数との交流の場になりますから、ニックネームが必要になるわけです。

 

動画で紹介しようとしましたが、一部音声データが取れませんでしたので、写真で紹介します。

 

バーチャル秋葉原駅、1号機関車【書きかけ】

バーチャル秋葉原駅で行けるプラットフォームは1番線と2番線(上野方面のホーム)のみで、3階の総武線へ続く階段やホームの南側にはアクセスできません。

 

1号機関車が停まっている時はここから始まりましたが、いつもはe235系に乗っているところから始まり、ドアが開いてホームの探索が可能になります。全てのドアが開いています。

 

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ニュースサイト(元画像はJRのプレスリリースか?)ではVketちゃん1号がホームの中程で撮影した画像が公開されていたのに、先頭車両部分へのアクセスの仕方がわかりませんでした。しかし、階段の端っこを通り抜ければいいみたいです。とても分かりづらいですが。

 

Vketの時は2番線だけでしたが、山手線のドアが閉まったり乗り込めたりするという仕掛けがあったわけですが、こちらは思いの外、殺風景です。VAWでは実在の秋葉原駅に忠実になった代わりに車両が動かなくなりました。ブラウザ上で電車動かすと重いからね。

 

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キャンペーンが終わってから入場すると、いつも通り山手線のE235がいました。

 

【終了】バーチャル鉄道150周年記念館

いつもは山手線が止まっていますが、11月10日までは1号機関車が展示されています。入ってみましょう。機関車に触るとワールドワープ画面が出てきます。そこに客車があるのにワープする必要があります。よく見たら山手線のホームドアもありません。

 

なんか別ワールド扱いになっています。ワールドは一緒なのに乗車するためにはワールドを変える必要があるというのは、客車のドアからそのまま乗り込めないからということなんでしょうね。今は鉄道博物館の1号機関車と客車は入り込めませんから、そもそも信号装置の関係で山手線の線路に機関車を入線させること自体不可能ですから、こういうあり得ないことができるのがVRの特徴です。

 

中はこのような展示になっており、詳細をクリックして立て看板同様詳細ページに遷移することができます。内容は主に150周年記念のサイトなどですが、ここはヱビスビールが広告を出して展示していますね。桜木町の110形機関車につながっている客車もこんな感じで全部赤いロングシートですよね。

 

画角を変えると、こうなります。プレイしてみた時は気づかなかったのですが、必要最低限作り込まれているのがわかります。ミュージアムに入るためだけにワールドを整備するのは勿体無い気もしますが仕方がないのでしょう。

 

シン秋葉原駅コンコース、外

ワールドを選択して、別のワールドに出てきました。奥の改札を通ろうとするとエラー音が鳴ります(でも普通に通り抜けられます)。仮想Suicaを発行して改札にタッチするとエラー音ではなく通常の改札通過音が鳴ります。仮想Suica発行にお金はいりません。また、改札内は電気街口以外、中央改札や昭和通り改札などにはアクセスできません。

 

rootCの無人コーヒースタンドです。現在は何も起きないようですが、将来的にはVAWで注文したコーヒーを現実の秋葉原で受け取ることができるようになるそうです。そのためのアピールでしょうね。

 

この他にもコンコース改札内外+電気街口南側(シン・秋葉原駅駅構内:ワールド移動なくてもいける)、駅前広場(電気街口北側)、中央通り・大通りのワールドがありましたが、特に面白みはありませんでした。

 

YAMANOTE競馬場

YAMANOTE競馬場では、今までのシン・秋葉原駅とは違うワールドに飛ばされます。ここではリアルな列車による競馬ゲームを楽しむことができます。「走れ!トレインケイバ」と言います。いいですよ、こういうエンターテイメント要素もあってこそ楽しめますからね。

 

ダービーのために編成も3両編成(別ダービーの一部車両:キハ110など元から1両編成になっているのを除く)と短くなっており、VRですから架線がなくてもノビノビ走っています。

 

さあ突然縦長の画面になりました。私はやったことがないですが、恐らくウマ娘の画面をオマージュしているのでしょう。ロゴとかも明らかにそれ。四つの列車が競争します。ぜひみなさんの目で迫力あふれるダービーを見ていただきたいところです。これはスマホで遊んだほうがいいですね。あの南田さんも実況をやっています。

 

優勝したらオリジナル記念切符が発券できるそうですが、ボタンがわからなくて記念切符を発券し損ねてRETRYボタンを押してしまいました。押したら色が変化する機構がなかったのか、私が気づかなかっただけか。いや、悔しいですね。あとで何回も挑戦して引き当てたので大丈夫でしたが。ちなみに、この画面は画面収録で撮影しました。

 

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極論を言えば25%の確率で当たるので、続けたらいつか当たると思います。ただし、一つの車両の勝利アニメーションにつき途中経過のアニメーションが一つとは限りません。ランダムでも個性豊かな車両が見せる表情が多彩で飽きないと思います。記念切符はjar-fun.jpの専用ページに飛ばされて表示されますが、日付が刻印されるわけではないので、デザインは変わらず、Twitter#トレインケイバと検索すればどんなものか確認できると思います。カシオペアかっこいいな

 

出走時に選択した列車と記念写真を撮ることもできます。芸が細かくて、撮影の時とかによく見てみると行き先が出るようになっているんですね(出ない車両もあります)。カシオペアのEF26の行先表示には札幌って書いてありました。いいなあ、昔の人はこれで札幌まで行ったんですもんね。

 

今の鉄道150周年記念のこの横浜線E233系6000番台)、横須賀・総武快速線E233系1000番台:2両目ハッグリーン車)、羽越線海里(HB-E300系)、カシオペアヘッドマーク付きEF81形牽引+E26系の1両目と12両目)の4車両で走るのは11月末までですが、12月は有馬記念(トレインアリマ)になるなど、このイベントは割と常設っぽいです(2023年以降辞めてる可能性は0ではありません、ご自身でご確認ください)。

 

オフ会探検

公式サイトには、こんなことが書いてあります。

電車やアニメ、ゲーム等、同じ趣味の人々が集まり、
いろいろなコミュニケーションを楽しめる空間「オフ会ルーム」!
オフ会やファンミ利用はもちろん、普通にMTGもできたりします。
テキストだけでなく、音声・トークでやり取りができますし、
友だちとのプライベート空間を開設することも可能です!

 

Virtual AKIBA World | バーチャル アキバ ワールド

一緒のサーバーでフォートナイトやマイクラその他オンライン対戦ゲームをするような感覚でプレイできます。しかも文章や音声によるチャット機能も含まれていますから、接続できたらDiscordなども要らないといった具合です。

 

ただ、実態はただのプレハブ小屋です。普通の人は普通のSNSでコミュニケーションを済ますんでしょうが、重いと言われるメタバースでも比較的軽い方だとは思うので気軽にメタバースっぽいところでコミュニケーションを取りたい人にはいいんじゃないんでしょうか。これから画面共有ができるようにアップデートされていくんでしょうね。会議室以外にもカラオケ、居酒屋、パーティールームの部屋が用意されています。

 

感想、今後の展望

始める前は、「なんでこのサービスあまり取り上げられないんだろう」と思って期待満々で入場したのですが、少し拍子抜けしてしまいました。

 

広告も多かったり、それは関連サイトへのリンクで音楽が止まってメタバースからすぐに遷移してしまったりと、メタバースに最低限あるような要素は詰め込まれていますが、なんかその必要最小限の機能しか採用していないなという感じですね。一通りすげーってなった後に、飽きてやっぱりズームで良くね?ってなりそうですね。

 

あと、私がメタバースの楽しみ方を真にわかっていないながら探索したことが「拍子抜け」の原因とも言えると思います。メタバースにもいろいろありますが、その中でもっとイメージしやすいのがVRChatやclusterに代表されるVR SNSです。要は、インターネットにつないでVR空間にいながらおしゃべりするのです。要は、LINE電話やTeams、zoomをVR環境でやるみたいな感じですね。ゲームをしながらDiscordで通話している人も多いことでしょう。そのゲームがVRワールドになった感じです。

 

VAWはVR SNSの性格が強く、複数人いたらその分楽しさも倍増します。残念ながら私は日常的にゲームをするなどそんなことで関わっている人はいませんので、その楽しみを得られなかったのが残念なところです。

 

もちろん、こうしたワールドができたことは素晴らしいことです。プロモーションビデオでは、セミナーやバーチャル会議、画面共有やパワーポイントのプレゼンテーションなどができて、さらにリアルと連動してコーヒーをどんなに魅力的だろうとは思いますが、私が見たところそのようなサービスは確認できませんでした。

 

まだアトレのエリアは未公開ですし、本格リリースしているとはいえまだまだ今は実証実験の段階で、どうやってこのワールドをより魅力的にできるかというところだと思います。今後に期待。

 

2023年10月追記:Virtual Akiba Worldに、JRE MALLという新しい空間ができていることを確認しました。JRE MALL のページで購入できるということで、よりメタバースコマースの色を出しつつ進化しているみたいです。ぜひ遊んでみてください。

*1:Vket=バーチャルマーケットの略称、年に2回開催されるHIKKY社のイベント。過去の当該ワールドは一部の企業ブースなどを除きVRChatでアーカイブで入場できるらしい

*2:実は出雲旅行1週間前、浜松町線路切り替え工事で京浜東北線が山手線の線路を走ってた時、東京都区内スタートの切符だったのでそのスタート地点に選ばせてもらいました