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高速道路至上主義者について 〜渋滞時高速道路だけ乗った方が早いと言う人たちはどういう頭をしているのか〜

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もうすぐ夏休み。

中には夏休みに入っていらっしゃる方も多いかと思います。

 

さて、夏休みといえば、レジャーや観光でお出かけに行ったり、実家や故郷に帰省したりする人も多いかと思います。

 

日本国民は、だいたい8月13日か少し前くらい(学生は1ヶ月くらい前)に夏休みをもらって、帰省や旅行しに行くことが多いです。

 

この時、必ずぶち当たる壁があります。

渋滞です。

今回は、特に高速道路の渋滞について話します。

 

高速道路で渋滞にはまった時、絶対に高速道路から降りたらダメ!という人(便宜上、高速道路至上主義者と呼ぶ)と、高速道路から降りて、渋滞を回避しようという人がいます。この差はなんなのでしょうか。

 

 

どのような時に高速道路を降りるべきか【思考実験で考える】

まず、どういう時に降りるべきで、どういう時に降りるまじきかというのを考えるために、

いくつかのケースで、どちらの方が降りたら早いかという思考実験をしてみたいと思います。

 

条件提起: 道路の地理的状況 

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次のように直線的な高速道路と、それに並走する国道があります。高速道路には4つのインターチェンジがあり、これを下り方向に順に、A, B, C, Dとします。それぞれのインターチェンジは並走する国道に接続しています。

 

各サービスエリア間の距離は次の通りです。

AB間…5km、BC間…10km、CD間…15km

 

具体的な地名がわかる人に対して例を挙げると、関西(中国道)ではAが中国吹田IC、Bが中国豊中IC、Cが宝塚IC、Dが西宮山口JCTといった具合でしょうか。

 

また、話を簡略化させるために、私たちの車はD方向に進んでいるものとします。

車線や交通量などについては詳しくは考えません。

 

ここで私は、高速道路至上主義者次に示す大事な前提について分かっているから高速をいやでも降りないのだと思います。

 

大事な前提①:一般道は意外と遅い

ここで確認しておきたい前提が、一般道は私たちが思っているよりも遅いということです。

 

一般的な高速道路の平均走行速度は80km/h(もっと速いこともありますし、100km/hのところも普通にあります)です。

 

それに対して一般道というのは信号待ちなどで時間が潰されますので、市街地では20km/h、それ以外では30km/hと見積もることが多いです。スムーズであっても40km/hと言ったところでしょう。

 

大事な前提②:90%の渋滞は流れる 

渋滞とは言っても、ひどい渋滞(全然流れない渋滞)とひどくない渋滞(流れる渋滞)があります。

 

前者は15〜20km/h、後者は25〜30km/hほどのスピードだと思われます。

 

世の中で起きる渋滞というのはほとんど後者(流れる渋滞)なので、特に降りる必要などないと思われるのです。

 

大事な前提③:一般道から側道はかなり遠い

湾岸線東北自動車道(堀切JCT〜川口JCT〜久喜IC)、中国自動車道(吹田JCTから西宮北IC)などは府道2号線(大阪中央環状線)と国道176号線がぴったりと張り付くように接続していますが、全ての道路がそんなことはありません。

 

大概高速は一般道のすぐそばに作られるものとは限らなく、多くの場合、200m〜2kmほど離れて並走していることが多いです。

 

関越道や圏央道東海環状道などではこの傾向が強めで、そのようなところの一部では高速から側道まで3kmほど離れて、この思考実験が全く意味をなさないと思います。

 

大事な前提④:側道も混む

側道は空いているわけではなく、むしろ繁忙期にはさまざまな方面に行きたがる車が一斉に交錯するため、そのような時期には普段より混雑が激しいというのは目に見えているというわけです。

 

ひどい際には、一般道も10〜15km/hの渋滞になっているかもしれません。

 

大事な前提⑤:高速を一度乗って降りるとお金がかかる

これは考えてみればわかるはずです。そのまま二倍は流石に取られないでしょうが、一度途中下道に戻ると、一回で乗る分より1割から7割くらいかさ増しされます。

 

※※※ただし、この前提(⑤を除く)は成り立たない場合もあります。実際の交通状況を考慮した上で判断してください。※※※

それでは、以下に示すパターンについて考えてみましょう。 

 

パターン1: BC間で5キロの渋滞が発生

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高速道路 14分 vs 一般道 20分

勝者:高速道路

 

簡単な例ですが、BCの間で渋滞が発生すると、このようになります。単純計算にするとこのようになります。一般道はもっと早い場合もあります。

 

渋滞を抜けるとまた復帰して、通常の80km/h運転に戻りますから、渋滞にはまっていた方がまだいいというのです。

 

パターン2: AC間で10kmの渋滞が発生

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高速道路 24分 vs 一般道 30分

勝者:高速道路

 

さらに大型休日ともなると、たくさんの車が各地の道路で地獄の兵隊行進を始めるのであります。

 

それでも、多くの場合で高速道路の方が早いのです。高速道路の速さをなめるなよというのはまさにこのことではないかと思いますね。

 

高速道路の渋滞の流れる速度が20km/hとして考えると、もっと遅い場合や、実は一般道の方が早いこともあります。

 

パターン3: AD間全域(30km)で渋滞が発生

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高速道路 14分 vs 一般道 20分

勝者:一般道

 

一番ひどい場合です。 この場合は、側道が混んでいる場合が多いので、市街地とされるAC間は20km/h、CD間は30km/hで計算しています。

 

この場合は、流石に国道の方が早いです。しかし、このようなことが起こることはかなり稀です

並走する一般道が10〜15km/hの渋滞になっていたら、 高速の方が早いという可能性が大いにあります。

 

まとめ

このように世の中の渋滞は動いている渋滞がほどんどなので、ほとんどの渋滞では高速で降りる必要はないです。

 

パターン3など、止まっている渋滞に当たって、近道などちょうどいい迂回ルートが見つかった際は一般道の方が得になりますが、大概の場合は高速から降りない方が早いです。

 

高速道路を降りたくない人は何なのか

これを踏まえると、高速道路を降りたくない人の心理の1つや2つはわかるはずです。

 

例外も多くありますが、日本の高速道路は、渋滞しても速いのです。

 

しかも不幸なことに、高速と一般道は常に並行しているとは限らないので、わざわざ降りるくらいなら高速で耐えた方がまだマシだよ、と思うのでしょうか。

 

ということは、高速道路を降りると逆に遅くなると考えている人も多くいるはずなので、頑固にも絶対に降りないぞという鋼の意思を見せつけるのです。

 

また、お金を使いたくないというのも大きいでしょう。

ケチは一般道に戻ると余計金がかかるので節約したいと思っているところがあるので、当然渋滞の中で忍耐するのです。ここにも高速を降りないメリットがあるのでしょう。

 

高速道路を降りたい人は何なのか

どうせ渋滞にはまるなら一般道で。イライラするから嫌でも渋滞は避けたいと言う心理的な問題、これに尽きるのかなと思います。それ以外に理由もないんじゃないかと思います。

 

最近はみんなナビが示す道路だけを通るので、ただナビに従って高速に乗って、そのまま渋滞まっしぐらな人もいると思います。何も考えていないのでしょうね。

 

たくさんの人が正月やお盆休みにこぞって帰るということがもう当たり前なのですし、現代において渋滞を避けて通ることは、もう不可能ではないかと踏んでおります。

 

その度に私は今まで高速道路の渋滞がいやだからすぐ一般道に降りようなんて思っていましたが、必ずしもそれは成り立たない、むしろ成り立つ方が少ないということで、反省しないといけないと感じました。