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肥前浜に停車する36ぷらす3を長崎から博多に行く途中に鉄道で見に行く話【2022長崎#4 長崎→肥前浜→博多】

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今回は前回の折り返しということで、特急街道の長崎本線鹿児島本線を途中下車をしながら乗車していこうと思います。実はこれは行程の3日目で、みんなの九州きっぷの有効期限が切れております。

 

今日は月曜日、JR九州の豪華特急列車の36ぷらす3の長崎方面への運転がある日です。13時4分から58分まで停車するのを見物しに行きます。

 

 

それでは、サムネのきっぷで長崎本線を遡上して帰ります。博多小倉間は新幹線に乗りたかったので新幹線の切符を作ってもらいました。券の右上に黒い四角があるのがその印です。自動券売機では出なかったんですね。みどりの窓口で購入しました。

 

博多までは、経費節約のために多くの区間では普通列車ですが、諫早から肥前鹿島までは極端に本数が少ないので特急を利用します。

 

長崎→肥前鹿島

私は13時までに、36ぷらす3を出迎えるために肥前浜に着きたいのですが、長崎本線普通列車だけで13時に肥前浜に着くように県境越えをするには長崎駅7時8分発の列車が最終電となります。こんなに朝早くに起きてられるかということで、特急かもめを使います。

 

求道者は普通列車で朝9時に肥前浜駅に到着して、肥前浜宿や祐徳稲荷神社などの観光をするのもいいかもしれません。

 

区間快速シーサイドライナー佐世保行き 長崎1059→諫早1129

特急かもめ18号博多行き 諫早1136→肥前鹿島1217

 


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シーサイドライナーの足元がQRコードみたいになっているのが面白いですね。しかしスマートフォンをかざしても読み取ることができません。

 

今回は諫早肥前鹿島間は特急でショートカットしますが、2日目に長崎本線の普通を乗ってみました。普通列車では何回もすれ違いなどで停車しつつも、のんびりと海の変化する景色を楽しめて飽きませんでしたね。

 

色は冴えない色をしていますが、この辺りの干潟はいろいろな生き物の生息地として知られており、干潮と満潮で違った景色を楽しめます。午前と午後の2回行くといいと思います。

 

車内放送ですが、どうやら2021年、「Ladies and gentlemen」の出だしを廃して「Attention please」にする変更のときに特急の車内放送が簡略化されたみたいなんですね。号数・号車案内、乗り換え案内は車掌によって放送されます。昔は特急列車の中で乗り換え列車の番線とかも細かく案内していたようですがやめてしまったみたいです。ついに特急かもめもお役御免だから放送もガサツにしよか…というわけではなく、JR九州の他の特急でも同様の傾向が見られるのでそういうわけでもなさそうです。

 

なお、旅行後に2022年度春のダイヤ改正でさらに簡略化されて合成音声になったということを知りました。まあ合成でも放送があるだけマシでしょう。流石にチャイム音変更は旅情がなくなった感はありますけど。厳しい財政状況の中サービスダウンしてしまうのはある種の必然であり、合成でも残してくれたことに感謝です。流石にJR九州はチャイムを鳴らすコストすらケチる会社ではないと信じたいです。長崎新幹線で予算使いすぎたんですかね。

 

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肥前鹿島へは40分ほどで到着。駅間が長いのに加え、湯江で運転停車をしたので一駅間の時間は特急かもめの中でも最も長いです。

 

さて、12時17分、肥前鹿島からは肥前浜まで歩きます。徒歩45分と聞いていますが、私の足の速度だと後続(24分発)の普通列車を見送って、ぎりぎり入線の撮影に間に合いました。

 

この時間帯ちょうどいいバスがなく、あったとしても12時22分の祐徳神社前行きで途中の浜三ツ角で降りて500mくらい歩くか、タクシーで行くかって感じだったので、歩いてくことにしました。

 

肥前浜駅

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13時2分、ギリギリ間に合って、肥前浜駅に到着しました。幟が立っています。この駅から長崎までは、西九州新幹線が開業した暁には電化設備が取り外される予定であります。

 

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時刻表がスカスカです。実はこの辺まで来ると佐賀県内で完結する運用というのがあってもう少し本数が多いので4時間半待ちとはなりませんが、それでも2時間待ちの場合もあります。まあ実質4時間半待ちなのは辛いです。

 

流石に私もここまで電車が来ない、電車が2時間待ち以上であることを意識させられるような場所に今まで電車で行ったことがありませんでした。全部都会で完結しております。しかもそれが佐賀県の幹線にあるというのが個人的に驚きでした。幹線ではないですが筑肥線唐津伊万里方面とかも少ないですよね。そんなこと言ったら原田線(一応筑豊本線)や日田彦山線の一部区間(現在は代行バス)だって福岡県にあるのに指を折って数えられるほどしか本数がありません。

 

まあでもそれは都市圏に住んでいる人の特殊な状態なのであって、いかに自分の住んでいる関東や、都市圏が恵まれているかという話ですよね。20分あれば目的の方面へ行くバスが来る首都圏がいかに恵まれているか分かります。

 

しかし、この日は違います。毎週月曜日の昼下がりのこの時間帯に、特急列車が特別停車するのです。

 

36ぷらす3の特別停車駅、おもてなしを見物する

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塗り直されて、黒光りした車体が映えます。787系を改造した36ぷらす3が一番線に停車します。

 

肥前浜では途中下車が楽しめます。途中下車という名の豪華なおもてなしが楽しめまして、地域の活性化に一役買っております。また、肥前浜で降りたり、肥前浜から乗ったりすることもできます。

 

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みんな到着と出発の際には旗を振って出迎えていて、なんだか桃鉄で優勝したときに列車が歓迎されるシーンのようでした。

 

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36+3用の停止位置目標があるのが面白いですね。やはり新しい車両ですから、それ用の設備も運行に欠かせないわけです。

 

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九州を走る36ぷらす3。ある時は往時の特急つばめのルートを通り(木曜日:赤の路)、ある時は特急きりしまのルートを通り(金曜日:黒の路)、ある時は特急にちりんのルートを通り(土曜日:緑の路)、ある時は特急ソニックのルートを通り(日曜日:青の路)、ある時は特急かもめのルートを往復します(月曜日:金の路)。その黒と金色の車体には、豪華なマークが施されています。九州7県をイメージしているのでしょうか、7羽の鳥が36+3のマークを取り囲むように配置されています。そして地の凸凹具合が高級感を演出しています。さすが水戸岡さんですね。

 

金の路の応援隊長の札をつけているのが、このかし丸くんという名前のゆるキャラですね。彼も浜駅でお出迎え&お見送り。酒蔵(肥前浜宿の特産)をイメージした服装で、狐(祐徳稲荷に由来?)をかぶっています。左腰に携えている魚は多分干潟のハゼとかでしょう。

 

検索して答え合わせをしようとしたらバイク用チェーンが出てきましたが、そうじゃないです。合ってましたね。あのハゼはむつごろうというそうです。よく見たらみかんのヘタもついています。みかんも特産なんですね。実は佐賀県はみかんの生産高が全国6位*1ということで、隠れたみかんの名産地だったんですね。意外でした。

 

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テントの下では特産品を売っています。やはり肥前浜は酒の醸造が有名ということで、利酒コーナーがあります。酒はよくわかりません(醤油の醸造もあります)。街の方に行くと、酒蔵や歴史的な街並みが並んでいるようです。

 

定期の普通列車や特急列車も通るのが面白いですよね。大体普通列車の長崎行きは階段を使わないように改札と地続きの(階段を挟まない)1番線に発着しますが、毎週月曜日には乗り場を変更して3番線に発着します。特急列車に便のいい一番線を譲るわけです。通過列車はいつも2番線を通過します。

 

電化設備が生き残るのも、この肥前浜までです。それは、肥前浜駅肥前鹿島とは違い3線路を有する駅であることが理由でしょう。

 

根室本線が幾寅までではなく東鹿越までだったのと同じノリですね*2。あちらは単に復旧区間を短くしたいという思惑もあるのでしょうし、最も(おそらく今年中に???)廃止されることが決まったわけですが。

 

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車内には地元の高校生がたくさん乗っていて、この肥前浜で大量に降りてきました。自転車で帰って行きます。

 

また駅の横ではバラストをトラックから積み込んでいる様子というのも見られました。右のトラックは農産物を運ぶものでしょうか。高圧ガスのトラックも通りました。肥前浜にはJAの事務所やリクシルの工場があるんで、そういうことなんでしょう。

 

そして列車は定刻通り発車。14時ごろから撤収作業が始まります。

 

祐徳バス(浜駅前1405→鹿島BC1420)

さて、私はここから博多へ向かいます。肥前浜駅から電車に乗ってもいいのですが、さっきその区間は特急で乗ってきてしまいましたので、肥前鹿島に戻らなければいけません。肥前浜駅から肥前鹿島までの切符を購入してもいいのですが、ややこしそうだしと思っていたらちょうどいい代替手段があります。

 

まさか歩くわけじゃないですよ。行きに急ぎ目で歩いて少し疲れたのでのでまた歩きたくはありません。

 

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電車でも歩きでもなければ、バスを使えばいいんですね。佐賀県鹿島市を中心に運行している「祐徳バス」があります。祐徳バス肥前大浦(県境付近)の港の先の方まで結んでいます。交通系電子マネー対応。

 

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竹崎港からやってきた鹿島バスセンター行きに乗車。運賃は浜駅前〜鹿島バスセンターで230円です。JRよりは値が張りますが、この地域の高校生や車を持たない人間にとって大切な地元の足となっています。特に日中は肥前大浦や多良まで直通する普通列車が全然ない時間帯もありますからね。

 

このバスはララベル前経由です。ちょっと行きとは違うところを通るんですね。ララベルというのは、Google検索ではPHPフレームワーク魔法少女とかが出てきますがそうではなく、鹿島市のショッピングセンターの名前だそう。結構地域密着系のバス停が多いんですね。

 

鹿島市役所・エイブル前というバス停につきました。エイブルというのは不動産屋さんのことではなく、市役所の隣に鹿島市生涯学習センターなる地区センター(公民館)のような施設があるんですね。祐徳バスではやはり嬉野温泉や祐徳稲荷方面の外国人観光客を意識している関係か英語放送が導入されていますが、発音がおかしいんですよね。

 

普通エイブルって英語では「エイ↑ボゥ↓」[eɪb(ʌ)l]じゃないですか。「え↑ぶ→る↓」[e̞buɾɯ]っていうんですね(音声記号はイメージ。実際と違う場合があります)。完全に日本語じゃないですか。なんか日本語に「えぶる」とかいう動詞ありそうですよね。しかも英語表記は「Eburu」。おかしくって仕方がありません。

 

肥前鹿島→博多

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鹿島バスセンターのすぐ近くに肥前鹿島駅はあります。この肥前鹿島から、最長片道切符の終着点として有名な肥前山口(新・江北駅)や佐賀を経由して、鳥栖です。

 

特急で行ってもいいんですが、少し接続が悪いので普通だけで行った方が特急を待つより早く着きますし安上がりです。長崎本線普通列車も複線区間はかっ飛ばすんですね。

 

肥前鹿島1433→鳥栖1532 鳥栖行き

乗車した鳥栖行きは7時台以来の長崎始発の列車です。今後はこうした列車も姿を消し、肥前鹿島・肥前浜止まりになるんでしょうね。

 

鳥栖ではまだ昼食を食べていなかったので、かしわうどんを食べました。10分くらいで食べ終わりました。やはり一般的には旅行の食事は待ってうまいものを食うものなのでしょうが、自分は早くて安い方が好きなんやって感じですよね。だから今までうまい飯にありつけませんでした。ありつこうとすると駅ナカ(それも改札内)とか駅そばとかになっちゃうんですよね。あるとしても博多駅のラーメンとかでしょうか。そりゃ便利なわけです。

 

鳥栖まで来ると、大幹線鹿児島本線ということで普通列車も15分に一本のレベルで、快速電車が走っています。JR九州の列車にはトイレがついているので心配が無用。ここからは次の記事でお届けします。

鳥栖1555→博多1625 区間快速門司港行き(博多まで快速)

 

*1:【2021年】みかんの生産量ランキング!日本で有名な産地は? | お米の知恵袋

*2:幾寅は一面一線、東鹿越は一面二線で折り返しが可能